2026年7月

2026年7月 AIツール障害まとめ・稼働レポート

ChatGPT・Claude・Gemini をはじめ主要AIツール18サービスの稼働状況を常時監視。2026年7月に各社の公式ステータスへ記録された障害を振り返ります。

障害件数
49
影響のあった提供元
7
合計ダウンタイム
150時間41分
平均稼働率
98.44%

最長の障害: Anthropic28時間26分

提供元別の集計

提供元障害件数ダウンタイム最悪状態稼働率
Anthropic1658時間14分大規模障害92.17%
GitHub1429時間44分大規模障害96%
OpenAI837時間4分大規模障害95.02%
Cursor612時間6分大規模障害98.37%
ElevenLabs311時間42分一部障害98.43%
Runway11時間0分大規模障害99.87%
Cohere151分一部障害99.89%

件数・ダウンタイムは、公式ステータスに記録された「一部障害以上かつ復旧済み」の障害のみを対象に集計しています(軽微な遅延や継続中の項目は除外)。稼働率はそれにもとづく独自推定で、各社の公式値ではありません。日本時間(JST)の暦月で集計しています。

この月のハイライト

2026年7月の重大障害は48件、合計8,901分でした。影響を受けた提供元は7社で、件数が最も多かったのは Anthropic(16件)、次いで GitHub(14件)、OpenAI(8件)です。

記録上もっとも長かったのは、Anthropic が6月13日から続けていた Claude Mythos 5 / Claude Fable 5 へのアクセス停止が7月1日に解決したもので、7月分として1,706分を計上しています。ただしこれは不具合というより意図的な提供停止に近く、前月のレポートでは「継続中」として集計から除外していた項目です。

7月に発生した障害で影響が最大だったのは、7月21日19:36(日本時間)から翌22日11:50まで約16時間続いた OpenAI「ChatGPT で画像生成が利用できない」障害です。同じ日には API 側でも画像生成のエラー率上昇(約2時間46分)が記録されており、画像生成まわりが集中的に不安定でした。

OpenAI ではもう1件、7月18日未明から約14時間にわたり、Codex 権限を持たない Enterprise ユーザーが新しい ChatGPT アプリを利用できない問題も記録されています。

開発基盤では GitHub Actions の不調が目立ちました。7月9日に実行開始の遅延が約9時間、7月20日にも Actions の障害が約5時間続いています。GitHub は当月14件と、件数では2番目に多い提供元でした。

Anthropic はモデル単位のエラー告知が16件と最多で、対象は Opus 5・Sonnet 5・Haiku 4.5・Fable 5・Mythos 5・Opus 4.8/4.1 と広範囲に及びました。1件あたりはおおむね1〜5時間で収束しています。

音声系では ElevenLabs が WhatsApp 送信の失敗(約5時間)と Speech Engine の会話失敗(約4時間20分)を記録しました。

傾向と所感

今月は、上流の障害が下流サービスへ波及する様子がはっきり観測できました。7月29日、Anthropic が全モデルでのエラー上昇を告知した約9分後に、Cursor が「Anthropic モデルに影響するエラー」を告知しています。Cursor の当月6件のうち複数がモデル提供元に起因しており、IDE やクラウド機能そのものより、上流APIへの依存が可用性のリスクになっていることが分かります。

複数社で同じ日に障害が集中する日もありました。7月16日は Cursor・GitHub・Anthropic が、7月21日は OpenAI・Anthropic・GitHub が、それぞれ同日に重大障害を記録しています。1社だけを見ていると「自分の環境の問題か」と迷いますが、横断して見ると同時多発だったと分かるケースです。

軽微な劣化(遅延レベル)は101件と、重大障害48件の2倍以上ありました。「なんとなく遅い」という体感の多くは、この軽微な劣化に該当します。

稼働率では Anthropic が92.17%と最も低く出ていますが、これは同社が障害をモデル単位で細かく公開しているためでもあります。公開の粒度が細かい提供元ほど数値上は不利に出る点は、差し引いて見る必要があります。

このレポートの見方

件数とダウンタイムは、各提供元の公式ステータスに記録されたインシデントのうち「一部障害以上(実質的に使えない規模)かつ復旧済み」のものだけを集計しています(日本時間の暦月)。遅延などの軽微な劣化や、解決が告知されていない継続中の項目は、数値が実体以上に大きく見えるのを避けるため合計から除外しています。

今月の合計には、前月から継続していた Anthropic の特定モデル提供停止が7月1日に解決したことで1,706分が含まれています。実質的な不具合ではないため、傾向を読む際はこの分を差し引いて考えると実態に近くなります。

7月31日に発生した ElevenLabs の SIP 通話失敗は、月末時点で未解決のためダウンタイムには含めていません。

稼働率は、上記の重大な障害時間にもとづく当サイトの独自推定で、各社の公式SLA値ではありません。

個々のインシデントのタイトル・規模・継続時間と公式リンクは、各サービスの「過去の障害履歴」ページで確認できます。